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京都のお正月を紹介します。うちの親戚界隈だけのことかもしれませんけれど。

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お座敷にて祝い膳で白味噌のお雑煮をいただく 2004.1.1

このマニュアルは中西亮(父 1928-1994)家において、1960年頃より1970年頃にかけて形成された習慣を中西秀彦が1994年に書き留めて、ドキュメント化したものです。かなり簡略したものになってますけれど、次の世代が受け継いでくれるとうれしいな。

1st.EDITION 1994.1.4 8th.EDITION 2009.12.13

1 おせち

   

京都の雑煮は、いわゆる白味噌の雑煮です。白味噌を使って、中に餅、祝い大根、小芋をいれます。3ケ日は家紋のはいった銘々膳で祝います。銘々膳は、男子は春慶塗り、女子は黒漆塗りです。
元日のみ、かしら芋をいれます。かしら芋はかしらになるようにという意味で必ず1人1個入れますが、非常に食べにくいものなのですが、一個を切ってとりわけることは許されません。なお餅は焼いてからいれます。

左は元日朝一番にだされる状態です。雑煮を食べる前に、煎茶(もしくはほうじ茶か昆布茶、ただし、本来は抹茶)の中に、むすびこんぶと小梅をいれたおおぶくちゃ(大福茶)と称するものをのみます。本来は夜明け前に飲むのが正しいようです。京都すくなくとも我が家にはお屠蘇という風習はありません。

祝い箸は、四条の堺町下がる市原平兵衛商店のものをもちいます。半紙を折って、水引をつけたものです。この箸紙に戸主が、銘々の名を書きます。客には「様」をつける。全員で使う取り箸は「組重」と記述します。私は毛筆が苦手なので毛筆フォントをつかってパソコンで作っています。ただし、半紙サイスが通るプリンタつまりA3プリンタが必要です。祝い箸は1月15日まで使用し、そののち、料理箸として使います。

雑煮以外の必須アイテムは数の子、ごまめ、黒豆です。これをちいさな取り皿にとりわけるのはかならず行います。そのた「りゅうひまき」「くりきんとん(栗の甘露煮)」「たまごのだしまき」「かまぼこ」「ぼうだら」「おにしめ」「こぶまき」「たたきごぼう」「紅白なます」 などが並びます。写真には写っていません

 

2 正月の飾り、用品

   

鑑餅は、市販のものを使ってます。我が家では、まず、三宝の上に裏白(しだの一種)の白い方を上にして2枚かさねて敷き、その上にゆずりはをさらに2枚づつ置きます。この上に、鏡餅をのせます。さらに鏡餅の上から、祝昆布をまき、さらにその上にだいだいを置いて完成です。鏡餅が近年小さくなっているので、このだいだいがころげ落ちやすいのが、難点ですね。年によってはだいだいの方が大きかったりします。葉付きみかん(後述)で代用する誘惑に駆られますが、やっぱりこれはちょっとやめた方がいいでしょう。 座敷の床の間に置きます。

ほしつきは鏡餅の小型のものです。やや大ぶりの丸餅の上に、親指の先ほどの餅をのせているものをもちいます。これは小型三宝の上にゆずりはを十字に重ね、その上に載せ、各部屋の適当な位置に置きます。鏡餅の支店といった感じですね。特に台所と便所には必ずおきます。写真は子ども部屋のもの。子どもが新しい飾り付けを考案していますね。便所に鏡餅があるので東京の方なんかはびっくりされます。これも年々入手が困難になってきましたが、京都では餅屋にあらかじめ注文しておくと用意してくれます。

ちょろけんはしめかざりの一種です。藁をもちいたちょろけんに、ときほぐした水引で、裏白(白の面を全面に)2枚、ゆずりは2枚、はつきみかん(葉のついた小型のみかん)の順でゆわいつけます。玄関に一番大きいもの(ちょろけん)、その他、各部屋にちいさいもの(わかざり)をつけます。これも便所と台所にはかならずつけます。洋風住宅ではちょろけんをかける場所がないので、今はクリスマスリースをつける金具につけるようになっています。年末までクリスマスリース、あとはちょろけん。

ちょろけんの作り方(PDF)

3 初詣

お雑煮が済んだら初詣です。これは全国どこでもそうではないでしょうか。まあ京都の特筆すべきところといえば、やたらに神社仏閣が多いわけで、相対的に空いています。もちろん、平安神宮や、伏見稲荷と言った近畿一円から人の来るようなところは満員ですが、我が家では上賀茂神社にまいることにしています。そこで親戚とばったり会った記念写真です。京都は着物の街なので、着物比率が高いというのはいえるでしょう。

もうひとつ、初詣でといえるかどうかですが、元日から檀家寺にお参りします。元日から墓参りもかねてということなのです。この時はお寺さんから御抹茶の接待があったりします。

4 おけら詣り

おけら詣りは祇園八坂神社に大晦日の晩にお詣りする風習です。祇園八坂神社は京都の繁華街からほど近く、昔の商家では年始の準備が終わった後、おけら詣りをして、おけら火をもらって帰ることで一年をしめくくりました。

おけら火は護摩木に火をつけ、これを火縄にもらって帰ります。これを火種にして雑煮を炊くと無病息災・商売繁盛という言い伝えがあります。

 

現在では、雑煮はガスやIHで炊きますので、もってかえっても利用のしようがないのですが、ガスの口火にするとか皆さんいろいろ工夫してますね。でもさすがにIHだけはどうしようもないでしょうね。

中西家では、火縄を二重にして火種を二つもらってかえるDoppel Differn(二重安全装置)つけを伝統にしています。


5 その他京都の正月TIPS

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元日の夕食はぶりの照り焼きと、はまぐりの潮汁とするのがなんとなく慣習化しています。これにおせちをそえます。いくらとスモークサーモンをそえるとベストですが、これは京都の風習と言うより私の好み。
水菜の雑煮というのは1月4日の朝に食べる焼いた小餅と切り餅(鏡餅を開いたもの)水菜をいれたすまし汁。これを水菜の雑煮という。祝い膳では食べませんが、祝い箸を使います。


年賀のあいさつ

相手を訪ねた際は、到着の挨拶がおわってのち、おもむろに、年賀の挨拶にはいります。和室の場合は、正座し、扇子を前方においたのち、頭をさげ、「あけましておめでとうございます。旧年中はいろいろとお世話になりまして、本年もどうぞよろしくおねがいいたします」といいます。挨拶は1対1が基本です。大勢で訪問した場合などは、錯綜する場合があるので、頭をさげる方向は、かならずしも、相手に向かっていなくてもよいようです。洋室の場合は、正座せず、たったままで、頭をさげます。この場合も扇子は両手にしっかりもっています。

七草粥1月7日の朝、粥に七草(特に七つ全部いれる必然性はないようです)をまぜたものを食べる。最近ではスーパーマーケットでパックで売っているのでそれを買ってきておきます。七草を切る際、主人が「とうとのとりがにほんのくにへわたらぬうちにとんとんぱたりとんぱたり」と繰り返しとなえながら、包丁でみじん切りにします。楽譜とかにもなにもなってないし、意味もわからないが、父からうけついでいます。たぶん「東海の鳥が日本の国に来ないうちにとんとんぱたりとうちおとしましょう」ということだと思うのですが、どなたか知りませんか?

 

1月15日の小正月には、本来小豆粥を食べるものらしいのですが、これが非常にまずく、かわりにぜんざいを食べる風習があります。うちだけかもしれない。

子どもは、年始におとずれると、お年玉をもらうことができます。もとは、物品だったようですが、クリスマスプレゼントとして物品を贈答する習慣ができたため、ほとんど現金を手渡します。現金は、ポチ袋(小さい紙袋)にいれ、相手の名前と、送る方の名前を記載します。送る方の名前は親戚の場合、同じ名字となるので、「紫竹中西」「一乗寺中西」「枚方中西」と書くなどして区別しないとわからなくなります。これがお公家さんに京都の地名が多い理由と共通でしょう。だって貴族はみんな藤原さんだったんだから。

年始まわりとして、正月(特に元旦)に、親類、知人などをたずねます。訪れる際は、通常、男子は略礼服、女子は訪問着を着用するが、近年、簡略化の方向にあります。着物はほとんど着られなくなってきました。それでも扇子を持参するという風習は残ってますね。

年賀訪問客があった場合は、和菓子をだします。暮れに和菓子屋(当家の場合、「きぬかけ」が注文をとりに来ていたが、21世紀初頭に倒産してしまいました。)に、その年の干支にふさわしい和菓子を注文しておきます。通常、じょうようのおまんか、はなびら餅をメインに干菓子をそえます。菓子皿の上にしいた紅白の半紙に載せて供します。しかし、客は何軒もまわって、食べあきているので、食べなくても失礼にはなりません。菓子をのせた半紙に包んでもちかえればよいのです。お茶は、おうす、昆布茶、煎茶などがだされる。中西亮家は煎茶。

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