
第1回(1996年度)
日本細胞生物学会論文賞(CSF Award)
選考結果報告
日本細胞生物学会論文賞規定及び選考内規に従い,前年度のCSFに掲載された原著論文について,評議員及びCSF編集委員に推薦を依頼しましたところ,8編の論文が推薦されました。次に,この8編について,編集委員に審査をお願いし,上位3編を選び,順位とコメントを付けていただきました。
この審査結果を受けて,選考委員会を1997年5月31日に開催し,授賞論文の選考が行われました。
内規では,選考委員会は運営委員から構成され,編集委員長が委員長を務めることになっていますが,編集委員長の研究室からの論文が選考対象論文に入っていましたので,編集委員長の提案があり,選考委員の承認により,今回に限り会長が委員長を務めることになりました。
審議の結果,授賞論文として次の論文が選考され,その筆頭著者が第1回論文賞受賞者に決定されました。
受賞者 |
佐藤−原田 玲子 氏 |
論文 |
Sato-Harada, R., Okabe, S., Umeyama, T., Kanai, Y. and Hirokawa, N.: Microtubule-associated Proteins regulate Microtubule Function as the Track for Intracellular Membrane Organelle Transports. Cell Structure and Function, 21 (5): 283-295 (1996) |
選考理由 |
本論文は,遺伝子導入法を含む多角的な研究方法を用い,微小管に沿ったオルガネラの輸送にMAPsがどのような調節機能を持つかを調べたもので,(1)
軸索MAP2Ccまたはtau蛋白質をCOS細胞に発現させると,オルガネラ輸送が抑制されること,(2) 知覚ニューロンにおいて,cAMP依存性キナーゼによるtau蛋白質のリン酸化とそれに伴う微小管結合の低下がオルガネラの輸送を促進することを明確に示した。得られた成果は,細胞内オルガネラ輸送の機構の研究に貢献するところ極めて大きい。 以上,本論文は学術上極めて優れた,完成度の高い論文であり,論文賞授賞に値すると判定した。 |
なお,佐藤氏には,第50回日本細胞生物学会大会時総会において,賞状と賞金が贈呈されました。
第2回(1997年度)
日本細胞生物学会論文賞(CSF Award)
選考結果報告
日本細胞生物学会論文賞規定及び選考内規に従い,前年度のCSFに掲載された原著論文について,評議員およびCSF編集委員に推薦を依頼しましたところ,9編について,編集委員に審査をお願いし,上位3編を選び,順位とコメントを付けていただきました。
この審査結果を受けて,選考委員会を1998年5月23日に開催し,授賞論文の選考が行われました。
審議の結果,授賞論文として次の論文が選考され,その筆頭著者が第2回論文賞受賞者に決定されました。
受賞者 |
白浜 佳苗 氏 |
論文 |
Shirahama, K., Noda, T., Ohsumi, Y.: Mutational Analysis of Csc 1/Vps4p: Involvement of Endosome in Regulation of Autophagy in Yeast. Cell Structure and Function, 22(5): 501-509 (1997) |
選考理由 |
オートファジーとは,細胞外刺激により引き起こされる液胞でのバルクの蛋白質分解であり,細胞のホメオスタシスの維持にとって重要である。本論文で著者等は出芽酵母を用いて栄養源存在下でもオートファジーが起こる変異としてCSC1を単離した。CSC1は,AAAファミリーに属し,その変異はゴルジ−エンドソーム間,あるいはゴルジ−液胞間の蛋白質輸送にも欠損を示す。本論文は,これらの蛋白質輸送がオートファジーの開始に関与することを分子生物学的,遺伝学的,細胞生物学的に解析し明らかにしたものであり大変すぐれた論文として高く評価され論文賞授賞に値すると判定した。 |
なお,白浜氏には,第52回日本細胞生物学会大会時総会において,賞状と賞金が贈呈されました。
第3回(1998年度)
日本細胞生物学会論文賞(CSF Award)
選考結果報告
日本細胞生物学会論文賞規定及び選考内規に従い,1998年度のCSFに掲載された原著論文について,評議員およびCSF編集委員に推薦を依頼しましたところ,8編が最終候補として残りました。当該8編の論文について,編集委員に審査をお願いし,上位3編を選び,順位とコメントを付けていただきました。
この審査結果を受けて,選考委員会を1999年5月23日に開催し,授賞論文の選考が行われました。
審議の結果,授賞論文として次の論文が選考され,その筆頭著者が第3回論文賞受賞者に決定されました。
受賞者 |
小原 昭夫 氏 |
論文 |
Ohara, A., Kato-Minoura, T., Kamiya, R. And Hirono, M.: Recovery of Flagellar Inner-arm Dynein and the Fertilization Tubule in Chlamydomonas ida5 Mutant by Transformation with Actin Genes Cell Structure and Function, 23(5): 273-281 (1998) |
選考理由 |
Chlamydomonasのida5変異体においては,inner-arm dyneinおよびfertilization tubuleに異常が見られるが,著者らはこの変異がconventional actin geneの完全欠失によって生じる変異であることを明らかにしていた。今回の論文においては,この変異体にactin geneを導入することによって,その変異が相補されることを示し,上記の変異が確かにactinの欠失に由来するものであることを,分子生物学,生化学,電子顕微鏡,生理学などの手法を用いて,鮮やかに示した。併せて,この系がactinの機能解析に有用な系であることも示し,CSF論文賞授賞に値する優れた論文として高く評価されたものである。 |
なお,小原氏には,第52回日本細胞生物学会大会時総会において,賞状と賞金が贈呈されました。
第4回(1999年度)
日本細胞生物学会論文賞(CSF Award)
選考結果報告
日本細胞生物学会論文賞規定及び選考内規に従い、1999年度のCSFに掲載された原著論文について、評議員およびCSF編集委員に推薦を依頼しましたところ、10編が最終候補として残りました。当該10編の論文について、編集委員に審査をお願いし、上位3編を選び、順位とコメントを付けていただきました。この審査結果を受けて、選考委員会を2000年6月3日に開催し、授賞論文の選考が行われました。審議の結果、授賞論文として次の論文が選考され、その筆頭著者が第4回論文賞受賞者に決定されました。
受賞者 |
吉村 美幸子 氏 |
論文 |
Yoshimura, M. and Shingyoji, C.: Effects of the Central Pair Apparatus on microtubule Sliding Velocity in Sea Urchin Sperm Flagella. Cell Structure and Function, 24(1): 43-54 |
なお、第53回日本細胞生物学会総会にて授賞の発表があり、後日、吉村氏には賞状と賞金が贈呈されました。
第5回(2000年度)
日本細胞生物学会論文賞(CSF Award)
選考結果報告
日本細胞生物学会論文賞規定及び選考内規に従い、2000年度のCSFに掲載された原著論文について、評議員およびCSF編集委員に推薦を依頼しましたところ、5編が最終候補として残りました。当該5編の論文について、編集委員に審査をお願いし、上位3編を選び、順位とコメントを付けていただきました。この審査結果を受けて、選考委員会を2001年4月21日に開催し、授賞論文の選考が行われました。審議の結果、授賞論文として次の論文が選考され、その筆頭著者が第5回論文賞受賞者に決定されました。
受賞者 |
立花 太郎 氏 |
論文 |
Tachibana, T., Hieda, M., Miyamoto, Y., Kose, S., Imamoto, N. and Yoneda, Y.: Recycling of Importin α from the Nucleus Is Suppressed by Loss of RCC1 Function in Living Mammalian Cells. Cell Structure and Function, 25(2): 115-124 |
なお、立花氏には、第54回日本細胞生物学会総会において、賞状と賞金が贈呈されました。
第6回(2001年度)
日本細胞生物学会論文賞(CSF Award)
選考結果報告
日本細胞生物学会論文賞規定及び選考内規に従い、2001年度のCSFに掲載された原著論文について、評議員およびCSF編集委員に推薦を依頼しましたところ、7編が最終候補として残りました。当該7編の論文について、編集委員に審査をお願いし、上位3編を選び、順位とコメントを付けていただきました。この審査結果を受けて、選考委員会を2002年4月27日に開催し、授賞論文の選考が行われました。審議の結果、授賞論文として次の論文が選考され、その筆頭著者が第6回論文賞受賞者に決定されました。
受賞者 |
石田 良司 氏 |
論文 |
Ishida, R., Takashima, R., Koujin, T., Shibata, M., Nozaki, N., Seto, M., Mori, H., Haraguchi, T., Hiraoka, Y.:Mitotic Specific Phosphorylation of Serine-1212 in Human DNA Topoisomerase IIα Cell Structure and Function, 26(4): 215-226 (2001) |
なお、石田良司氏には、第55回日本細胞生物学会大会時総会において、賞状と賞金が贈呈されました。
第7回(2002年度)
日本細胞生物学会論文賞(CSF Award)
選考結果報告
日本細胞生物学会論文賞規定及び選考内規に従い、2002年度のCSFに掲載された原著論文について、評議員およびCSF編集委員に推薦を依頼しましたところ、7編が最終候補として残りました。当該6編の論文について、編集委員に審査をお願いし、上位3編を選び、順位とコメントを付けていただきました。この審査結果を受けて、選考委員会を平成15年4月12日に開催いたしましたが、際立って得票数が高く強く推すべき論文がなかったため、本年度のCSF論文賞は該当者なしと決定いたしました。
第8回(2003年度)
日本細胞生物学会論文賞(CSF Award)
選考結果報告
日本細胞生物学会論文賞規定及び選考内規に従い、2003年度のCSFに掲載された原著論文について、評議員およびCSF編集委員に推薦を依頼しましたところ、5編が最終候補として残りました。当該6編の論文について、編集委員に審査をお願いし、上位3編を選び、順位とコメントを付けていただきました。この審査結果を受けて、選考委員会を平成16年4月24日に開催いたしましたが、際立って得票数が高く強く推すべき論文がなかったため、本年度のCSF論文賞は該当者なしと決定いたしました。
第9回(2004年度)
日本細胞生物学会論文賞(CSF Award)
選考結果報告
日本細胞生物学会論文賞規定及び選考内規に従い、2004年度のCSFに掲載された原著論文について、評議員およびCSF編集委員に推薦を依頼しましたところ、9編が最終候補として残りました。当該9編の論文について、編集委員に審査をお願いし、上位3編を選び、順位とコメントを付けていただきました。この審査結果を受けて、選考委員会を平成17年5月21日に開催し、授賞論文の選考が行われました。審議の結果、2編の論文が授賞論文として甲乙つけがたく、論文賞規定においては年1編への授賞が定められておりますが、評議員会の了承を得て本年は以下の2編の論文の筆頭著者が第9回論文賞受賞者に決定されました。
受賞者 |
植村 知博 氏 |
論文 |
Uemura, T., Ueda, T., Ohniwa, R. L., Nakano, A., Takeyasu, K., Sato, M. H.; Systematic Analysis of SNARE Molecules in Arabidopsis: Dissection of the post-Golgi Network in Plant Cells, Cell Structure and Function, 29(2): 49-65 (2004) |
受賞者 |
森 靖典 氏 |
論文 |
Mori, Y., Higuchi, M., Masuyama, N., Gotoh, Y.; Adenosine A2A Receptor Facilitates Calcium-Dependent Protein Secretion through the Activation of Protein Kinase A and Phosphatidylinositol-3 Kinase in PC12 Cells, Cell Structure and Function, 29(4): 101-110 (2004) |
なお、植村知博氏および森 靖典氏には、第58回日本細胞生物学会大会時総会において、賞状と賞金が贈呈されました。
第10回(2005年度)
日本細胞生物学会論文賞(CSF Award)
選考結果報告
日本細胞生物学会論文賞規定及び選考内規に従い、2005年度のCSFに掲載された原著論文について、評議員およびCSF編集委員に推薦を依頼しましたところ、6編が最終候補として残りました。当該6編の論文について、編集委員に審査をお願いし、上位3編を選び、順位とコメントを付けていただきました。この審査結果を受けて、選考委員会を平成18年5月13日に開催し、授賞論文の選考が行われました。審議の結果、2編の論文が授賞論文として甲乙つけがたく、論文賞規定においては年1編への授賞が定められておりますが、評議員会の了承を得て本年は以下の2編の論文の筆頭著者が第10回論文賞受賞者に決定されました。
受賞者 |
福永 剛隆 氏 |
論文 |
Fukunaga, Y., Liu, H., Shimizu, M., Komiya,S., Kawasuji, M., Nagafuchi, A.: Defining the Roles of β-catenin and Plakoglobin in Cell-cell Adhesion: Isolation of β-catenin/plakoglobin-deficient F9 Cells. Cell Structure and Function, 30(2):25-34(2005) |
受賞者 |
津田 香代子 氏 |
論文 |
Tsuda, K., Amano, A., Umebayashi, K., Inaba, H., Nakagawa, I., Nakanishi, Y., Yoshimori, T.: Molecular Dissection of Internalization of Porphyromonas gingivalis by Cells using Fluorescent Beads Coated with Bacterial Membrane Vesicle. Cell Structure and Function. 30(2):81-91(2005) |
なお、福永剛隆氏および津田香代子氏には、2005年度はIUBMB協賛により本学会独自の総会が開催されないことにより、翌年の第59回日本細胞生物学会大会時総会において、賞状と賞金が贈呈されることが決定されました。
第11回(2006年度)
日本細胞生物学会論文賞(CSF Award)
選考結果報告
日本細胞生物学会論文賞規定及び選考内規に従い、2006年度のCSFに掲載された原著論文について、評議員およびCSF編集委員に推薦を依頼しましたところ、9編が最終候補として残りました。当該9編の論文について、編集委員に審査をお願いし、上位3編を選び、順位とコメントを付けていただきました。この審査結果を受けて、選考委員会を平成19年4月28日に開催し、授賞論文の選考が行われました。審議の結果、授賞論文として次の論文が選考され、その筆頭著者が第11回論文賞受賞者に決定されました。
受賞者 |
坂根 洋 氏 |
論文 |
Sakane, H., Yamamoto, T., Tanaka, K.: The Functional Relationship between the Cdc50p-Drs2p Putative Aminophospholipid Translocase and the Arf GAP Gcs1p in Vesicle Formation in the Retrieval Pathway from Yeast Early Endosomes to the TGN. Cell Structure and Function. 31(2):87-108(2006) |
なお、坂根 洋氏には、第59回日本細胞生物学会大会時総会において、賞状と賞金が贈呈されました。
第12回(2007年度)
日本細胞生物学会論文賞(CSF Award)
選考結果報告
日本細胞生物学会論文賞規定及び選考内規に従い、2007年度のCSFに掲載された原著論文について、評議員およびCSF編集委員に推薦を依頼しましたところ、10編が最終候補として残りました。当該10編の論文について、編集委員に審査をお願いし、上位3編を選び、順位とコメントを付けていただきました。この審査結果を受けて、選考委員会を平成20年6月14日に開催し、授賞論文の選考が行われました。審議の結果、授賞論文として次の論文が選考され、その筆頭著者が第12回論文賞受賞者に決定されました。
受賞者 |
深野 天 氏 |
論文 |
Fukano, T., Sawano, A., Ohba, Y., Matsuda, M. and Miyawaki, A.: Differential Ras Activation between Caveolae/Raft and Non-Raft Microdomains. Cell Structure and Function. 32(1):9-15(2007) |
なお、深野 天氏には、第60回日本細胞生物学会大会時総会において、賞状と賞金が贈呈されます。