オンデマンド印刷

高速大量印刷の落とし穴

過去500年間、印刷は高速化、大量化の道をまっすぐに進んできました。巷に氾濫する新聞や雑誌は、数百万部という単位で発行されているわけですが、これが週刊や日刊で出ているというのは実は大変なことです。通販カタログなどは、しかも数百頁のフルカラーでなおかつ百万単位での印刷がおこなわれています。こうしたことを可能にしたのは、一時間に10万枚を印刷するというような超高速印刷機のおかげです。

しかし、そのこととは裏腹に少部数印刷は忘れられた存在になってしまいました。200冊、300冊といった部数の印刷は、たとえば、一時間に10万枚刷るような印刷機だと、300部刷っても刷っている時間は、わずかに10秒です。にもかかわらず、印刷版の組付けや、刷りだしの調整に10万枚刷るときと同じだけの時間がかかります。これに、印刷版を作る手間までいれれば、とても少部数の印刷では引き合わないことがおわかりになるでしょう。ではどうすればよいか。

オンデマンド印刷とは何か?

そこでオンデマンド印刷です。オンデマンド印刷はまだ馴染みがない言葉かもしれません。オンデマンドはOn Demand「欲しいときに欲しいだけ」という意味です。オンデマンド印刷は今までの印刷技法とは全く逆に、少部数であればあるほど強みを発揮し、印刷時間もすくなくてすむという新時代の印刷技法です。

どうすればこういうことが可能なのでしょうか。ここで、コンピュータのプリンタを思い出してください。プリンタとはいみじくも印刷機という意味です。普通、コンピュータのプリンタでは一部しか印刷しません。会議で多部数必要なら、そこからコピーを取るでしょう。が、たいていのワープロソフトでは、何部でも刷れるオプションがついているはずです。そうです。ここで、コピーを使わず、そのまま必要枚数を刷ってしまうというのが、オンデマンド印刷の基本です。これだと、コンピュータにためておいたデータを必要な時に必要な部数刷ればよいことになります。

もちろん、現在のプリンタでこんなことはしません。10枚20枚ならいざ知らず、100枚200枚となってくると、時間もかかりますし、両面印刷ができるような機械も限られています。品質的にも問題があるでしょう。そこで、そうした需要にこたえるための速くて、きれいで、両面が印刷できるプリンタが登場してきました。

それがたとえば、当社で導入したXEROX DocuColor DC7000です。ながらくオンデマンド機はモノクロのみでしたが、これはカラーです。印字品質は従来のオフセット印刷と遜色ありません。写真に若干の改良の余地がありますが、文字だけなら、むしろ品質がいいぐらいです。これは、従来のオフセット製版につきものの、版下写真撮りの工程がまったくなく、コンピュータデータを直に最終出力としているためです。実例については、中西印刷にお問い合わせください。お見せします。

XEROX DOCUTECH 6135
XEROX DocucColor DC7000

オンデマンド印刷をするために

オンデマンド印刷は、おそらく21世紀を通じて主流になっていくだろう技術ですが、これを実行するためには、ただ一つ重要な条件があります。それは、オンデマンド印刷機がコンピュータのプリンタそのものなのですから、当たり前ですが、データがなにもかもコンピュータで作られていなければならないということです。な−んだそんなことと思われるでしょうが、実は、これが意外にむずかしい。ノンブル(丁数)は? 図は? 写真は? 糊とはさみで貼り込んでいませんか。あるいは印刷会社にたのんでしまっていませんか。オンデマンド印刷に切り貼りはありえません。したがって、入稿は、フロッピーでもオンラインでもかまいませんが、電子媒体に限ります。もちろん、手書き原稿ではいって、印刷会社で電子媒体につくりあげることは可能です。すこし面倒でしょうが、この条件さえ守れば、新たな世界が待っています。もし、お金をすこしお持ちならば、中西印刷に頼んでください。

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・オン・デマンド印刷がやってきた

・オンデマンド印刷の現場から(PDF 日本写真学会誌67巻1号より転載)
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